サプライチェーンにおける最先端技術を活用した外部委託業務における品質情報等の可視化の取り組み開始について

2023年07月05日

武田薬品工業株式会社
三菱倉庫株式会社

- 2022年に開始した、三菱倉庫が開発したデータプラットフォーム「ML Chain」を用いた医薬品の流通過程における温度・位置情報の可視化に続き、同プラットフォームのスマートコントラクト機能を活用し、三菱倉庫が起用する運送等の外部委託業者の必要な許認可の取得状況や監査記録などを、荷主の武田薬品が確認できる体制を確立
- スマートコントラクト上で品質確保を目的とした要求水準ルールを実装することで、外部委託業者の業務品質が水準を満たす場合には契約の正常履行を、水準に満たない場合には、要確認状態を瞬時に検知することが可能に
- 製品の運送に関する外部委託業務の品質確保や適正な契約実行のさらなる徹底に寄与


武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役 社長 CEO クリストフ・ウェバー、以下「武田薬品」)と三菱倉庫株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長 斉藤秀親、以下「三菱倉庫」)は、このたび、ブロックチェーン(分散型台帳)技術(※1)を用いて三菱倉庫が開発したより高度な品質管理を実現するためのデータプラットフォームである「ML Chain」を活用し、医薬品流通に携わる運送委託先を正確かつ効率的に管理するための取り組みを開始しましたのでお知らせいたします。

近年、医薬品の流通については、流通過程において高い水準の品質保証を維持し、劣化、破壊等がないよう業務の画一性を推進することが求められています。2018年12月に発出された、医薬品の適正流通(GDP: Good Distribution Practice)ガイドラインにおいても、その方法が定められており、外部委託業務についても常に同ガイドラインが順守され、適格性が保たれていることを製薬企業等が確認することが従来にもまして重要になってきています。

こうした中、三菱倉庫と武田薬品は、医薬品流通における製品の温度管理および位置情報を可視化し、ブロックチェーン技術を用いて信頼性を担保しながら、流通過程で連携する様々な事業者間で共有することによって、より高度な品質管理を実現するためのデータプラットフォーム「ML Chain」の運用を2022年1月より開始しました。

この度、さらなる品質確保を目的として、ML Chainにおいてスマートコントラクト(※2)を活用し、三菱倉庫が起用する運送等の外部委託業者の必要なライセンスの取得状況や監査記録などを、荷主である武田薬品に対して可視化する新たな機能を実装します。これにより、武田薬品は、自社製品の運送に関する外部委託業務の品質が確保され、確実に業務が実行されていることを確認できるようになります。スマートコントラクト上で品質確保を目的とした要求水準ルールを実装することで、運送委託先の業務品質が水準を満たす場合には契約の正常履行を、水準に満たない場合には要確認状態を、瞬時に検知することが可能になります。

武田薬品と三菱倉庫は、武田薬品の医薬品流通に携わる多くの事業者との情報を適切にかつ確実に確認・管理することで、業界全体の委託業務に関する品質確保に貢献してまいります。

武田薬品のグローバル マニュファクチャリング&サプライ ジャパン ヘッドのグレッグ・ティモンズは「当社は、『1.患者さんに寄り添い(Patient)、2.人々と信頼関係を築き(Trust)、3.社会的評価を向上させ(Reputation)、4.事業を発展させる(Business)』ことを行動指針に掲げています。ブロックチェーンにおけるこのたびの新たな機能の実装により、三菱倉庫との提携を通じて、患者さんが必要とする高品質な医薬品をより確実にお届けしていけることを嬉しく思います」と述べています。

また、三菱倉庫の専務執行役員の若林仁は、「当社は、今後もブロックチェーン等最先端の技術を活用したデータプラットフォームの開発、機能拡大を進め、武田薬品をはじめ多くの事業者様とともに医薬品の安定供給と医薬品物流の品質確保に努めて参ります」と述べています。


※1 ブロックチェーン技術は、全ての履歴を連続的に記録する「不可逆」なデータベース技術で、関係者全員がアクセス可能でありながらデータ改ざんが不可であるため、その製品等が「いつ、どこで、だれの手を渡って来たのか」といったことを、全ての関係者が追跡可能な「トレーサビリティ」を実現します。また、分散台帳の特性上、複数の事業者間で台帳を保持し合うことで、一部の障害が全体に影響を及ぼすことがなく、データの安全性が確保されます。

※2 スマートコントラクトとは、ブロックチェーンに保存されたプログラムであり、所定の条件が満たされた場合に実行されます。 これらは通常、契約の実行を自動化するために使用されるため、すべての参加者は、仲介者の関与や時間の損失なしに、結果を即座に確認できます。 また、ワークフローを自動化し、条件が満たされた場合に次のアクションを開始することもできます。


<武田薬品について> 
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<三菱倉庫について>
 三菱倉庫は、倉庫保管から陸上運送、国際輸送まで一貫した物流サービスを提供し、医薬品、食品・飲料、電機、自動車部品など幅広いお客様のサプライチェーンをサポートするロジスティクス企業です。医薬品物流の分野では、40年近くにわたり多くの製薬メーカー様の配送センターを運営する中で培ったノウハウを活かし、高品質な物流サービスを提供しております。現在、「先端技術の活用による高付加価値サービスの開発」を経営計画の基本方針のひとつに位置づけ、ロボティクスやAI、ブロックチェーンをはじめとする先端技術の活用を積極的に推進しています。先端技術を積極的に導入してサービス品質と生産性を向上させ、お客様と社会の課題解決に貢献します。
詳細については、https://www.mitsubishi-logistics.co.jp/をご覧ください。

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