医薬品物流データプラットフォーム「ML Chain」を運用開始 - サプライチェーン全体をリアルタイムで可視化、より高度な品質管理をDXで実現 -

2022年08月18日

当社はこのたび、医薬品物流におけるサプライチェーンをリアルタイムで可視化し、より高度な品質管理を実現するためのデータプラットフォーム「ML Chain(エムエル チェーン)」の運用を開始いたしました。

近年の医薬品物流においては、201812月の「医薬品の適正流通(GDPGood Distribution Practice)ガイドライン」発出や、希少疾患の治療で使われるスペシャリティ医薬品の増加など、これまで以上に厳格な品質管理が求められています。
当社でも2015年から、GDP対応の医薬品保冷配送サービス「DP-Cool」を構築・展開するなど、高品質な物流サービスの提供を通じて医薬品の安定供給に貢献してまいりましたが、今後ますます多様化・複雑化が見込まれる医薬品物流においては、これまで以上にサプライチェーン上の関係事業者が一体となって、高い水準の品質保証と安定供給を維持していく必要があります。

そしてこのたび、当社では従来の医薬品配送サービスをさらに発展・進化させるべく、ブロックチェーン(※)等の技術を活用してサプライチェーン全体の可視化や高度な品質管理を実現するための医薬品物流データプラットフォーム「ML Chain」を開発いたしました。本プラットフォームの構築にあたっては、IBM社が米国食品医薬品局(FDA)のパイロットスタディ(実証実験)において構築した仕組みを参照しています。
まずは、製薬企業の製造工場、物流センターから医薬品卸倉庫への配送までのメーカー物流の領域において、温度管理や位置情報などサプライチェーン上の重要情報をリアルタイムで可視化し、クラウド上で共有・把握するためのデータプラットフォームとして運用を開始いたしました。
今後、メーカー物流においては国際物流への拡大を図るとともに、国内においてはメーカー物流の枠を越えたサプライチェーン全体の可視化を目指してまいります。従来は可視化が難しかった領域の情報も網羅していくことで、在庫水準の適正化、安定供給の維持などにご活用頂けるものと考えております。
将来的には、在宅医療の促進等による患者宅直送型の新しい流通スキームの構築支援も視野に入れ、流通に関わる様々な事業者と連携し、サプライチェーン全体で高度な品質管理を共有する、汎用性の高いオープンプラットフォームとしての運用を見据えてまいります。

また、「ML Chain」に蓄積された様々なデータを分析し、業務プロセスの自動化・省人化や業務負担の軽減を図ることで、サプライチェーン全体の最適化やサステナブルな物流の実現に繋げてまいります。

これからも当社は、調達から流通・販売までのサプライチェーンを一貫で担うロジスティクス企業として、先端技術の積極的な活用による高付加価値サービスの開発・提供を通じた社会課題の解決に取り組んでまいります。

※ ブロックチェーン技術は、全ての履歴を連続的に記録する「不可逆」なデータベース技術で、関係者全員がアクセス可能でありながらデータ改ざんが不可であるため、その製品等が「いつ、どこで、だれの手を渡って来たのか」といったことを、全ての関係者が追跡可能であり、トレーサビリティを実現します。また、分散台帳の特性上、複数の事業者間で台帳を保持し合うことで、一部の障害が全体に影響を及ぼすことがなく、データの安全性が確保されます。

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